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―うつわを愉しむ―

1157713_645546465543678_8716475531731076817_n.jpg“今日はどのうつわにしようか”
お料理を作りながら、おいしいお茶を淹れながら、そう考えるのが私の愉しみ。
作り手が心を込めて作ったうつわは、どんな料理も受け止めてぐっと引き立ててくれます。
ハレの日もケの日も。
人が集う時も一人の時もそっとうつわが寄り添い、時を愛おしむお手伝いをしてくれます。
「おいしい」を囲む時間も、人を思い一人で過ごす時間も、お気に入りのうつわで今のこの時を愛おしむ。
どうぞうつわを愉しんでください。
麻乃屋 店主

―我が家のうつわたち―

IMG_3232.JPG我が家ではうつわを「○○さん」と作家さんの名前で呼びます。
私がそうしているといつのまにか息子たちも「今日は誰にする?○○さんでいい?」というようになりました。
食事の支度の時間に作家さんのお名前が呼ばれると出番です。
「その○○さんの隣の○○さんに肉じゃがを盛り付けて!」「今日は○○さんはお休みにして○○さんにしよう!」という具合に。
一つ一つ丁寧に作られた作家さんのうつわには、作家さんの雰囲気がむんむんしていて、自然にうつわを作家さんのお名前で呼ぶようになりました。
いくつも持っている作家さんのものは、「四角い○○さん」や「黒い○○さん」という具合。
土と火と水と植物のものがたりと作家さんの思いや温もりが一つになってうつわに力となって宿っているのだと思います。
ごはんは「○○さん」お味噌汁は「○○さん」煮物は「○○さん」……..
食卓にみなさん大集合!
 さぁ 召しあがれ!!

―麻乃屋のマーク‘ねじ梅’―

ASANOYA.jpg麻乃屋のマーク‘ねじ梅’は私の実家に伝わる女紋。
小さな頃から、母の着物の衿の後ろにあるこの‘うめ’を見ては「お皿にくろもじ、みんなで食べてる」そう見えていました。
母はお料理が大好きで、人にお料理を振る舞って喜んでもらうことをとても楽しそうにしていました。忙しくってもすべてお手製のものばかり。何品ものお料理をお気に入りのうつわに盛り付けて、庭から南天や山椒の葉を取ってきてはお料理の彩りに添えていました。そんなお料理好きの母の作るものは本当においしくって、私もお節句やお誕生日にはちらしずしに鯛の煮つけなどのごちそうを、運動会には必ず栗ごはんを炊いてもらうのがとても楽しみでした。
そんな我が家の食卓にはいつも人が集い、みんなで母のお料理を囲んでわいわいと楽しい時間を過ごしたものです。
そして、食事の後にうつわを大事にしまっていく満足そうな母の横で、私はお皿を拭くお手伝いをしながら、学校のことやお友達のことなんかをおしゃべりしていたものです。

『人を愛おしみ、物を愛おしみ、時を愛おしむ』
「おいしい」を囲むことの愉しさ、人が集うことの温かさ。
今、母として、うつわに携わる者として伝えていきたいこと。
そんな思いを込めて`ねじ梅’を麻乃屋のマークにしました。

「お皿にくろもじ、みんなで食べてる」は幸せのマークです。